ラーメンのおつゆ

たまに書きます

引っ越しの話

長らく東京に出稼ぎに出ていたのだけれど、地元に帰ることになり、ようやく引っ越しに向けた作業が全て終わった。あとは羽田でビールを引っ掛けてから北に向かうだけ。

遅い時間の羽田空港は暗くて、震災直後に上京して空港や駅が暗かったことが急にブワッと思い出され、胸がギュッとなってしまった。もう11年も前のことなのか。


移住の理由は、母親の面倒を見れる環境を作りたかったため。元々、いずれは地元に帰りたかったし、何か緊急度の高い問題が起きてからではなくて自分のペースで引っ越ししたかった。

正直、コロナ禍でリモートワークがある程度市民権を得たおかげで移住が実現できたようなものだ。最近はコロナへの関心が低くなって、出勤しても大丈夫じゃね?という雰囲気も出てきているので、今から動いたらNGだったかもしれない。いいタイミングで諸々の調整ができたのはラッキーだった。

今後もずっとリモートワークでやっていけるのか、長期的なことはどうなるか分からない。客や偉い人に直接会えないことが不利に働くこともあるだろう。私のことを内心、ずるいとか、裏切り者とか、降格させるべきとか思う人もいるだろう。それでもまぁ、そういうリスクを踏まえても、このまま惰性でそんなに好きでもない東京暮らしを続けて年を取るよりは、次の取り組みに一歩踏み出すことは悪くない判断のはずだ。

とにかく、多くの方のご協力と励ましのおかげでなんとか実現に漕ぎ着けた。お世話になった皆さんには感謝してもしきれないです。何もかも、周りの人々の厚意と、幸運の連続で成り立っていると心から思う。それが少しでも欠けていれば計画が破綻していたであろう局面がいくつもあった。

何かの形で少しずつでも恩返しをしていかないとなぁ。

読書アプリの話

理想の読書アプリを探し求めて幾星霜。もっと快適なアプリはないものか。

※読書アプリ(読書記録アプリ、読書管理アプリとも呼ばれる)とは、読んだ本の感想を書いたり、WEB上にマイ本棚を作り上げたりする機能を持つアプリのこと。

いくつか試しに使ってみたところ、自分がどんなアプリを求めているのかが見えてきた。

必要な機能

  • 感想を保存する
  • メモを保存する
  • 複数のリスト(読んだ・読みたい)を作成する

感想は書き留めておかないと、読んでどう思ったのか忘れてしまうので必須機能だ。また、本は図書館で借りたり、売ったりして手元に残らない場合が多いため、いいことが書いてあったら内容をメモしておきたい。読んだリストと読みたいリストは作っておかないと本の存在自体を忘れてしまうから、これも絶対必要。

必要でない、むしろない方がよい機能

  • コミュニティ、SNS的な機能
  • 細かすぎるリストやタグ(積読、いま読んでる等)

読書アプリにおけるコミュニティ要素としては、他人の感想にイイネをつけたり、コメントしたりする機能が挙げられる。これは他人の行動が気になってストレスになるのでよくない。細かすぎるリストも運用が煩雑になるので不要だ。

※個人の感想です。

これらの要件を全て踏まえると、現状の最適解は「ビブリア」というところに落ち着いている。

ブクログ読書メーターWEBサービスであるのに対し、こちらのビブリアはローカルで完結している完全一人用アプリだ。そのため、コミュニティ機能はない。感想文もインターネット上に公開されないので、作文の出来栄えを気にしなくていいし、見知らぬ誰かを意図せず傷つける心配もない。

読んだリストと読みたいリストの2つしかない点も潔い。読みたいリストに本を登録しておき、読み終わったら感想を書いて、読んだリストに移動すればオッケーだ。

シンプルで必要十分な機能があるステキなアプリだと思う。マスコットのじいさんもかわいい。

マスコットのじいさん



しかし人間の欲は尽きないのであった。

「読みたいリストのその後」、つまり読みたい本を調達するのが人力作業なのだ。せっかくデータを作ったのに、その先のオペレーションが人力だなんてもったいない。というかすごく面倒臭い。

なので調達の作業を肩代わりしてほしい。ちなみにルールはこうだ。

  • 本の入手先は図書館、古本屋、書店(紙 or kindleストア)。
  • おかねを節約したいので、基本的な優先順位は図書館>古本屋>書店。
  • 新しい本の場合は、古本屋を候補から外す。(初動に貢献した方がよいのと、古本のメリットが小さいから)
  • 図書館に取り扱いがあっても、3人以上待ちがある場合は次の優先度の候補を採用する。
  • 古本屋の場合、定価に商品の状態に応じた係数をかけて、送料込みの価格がそれを超えない場合は採用する。
  • 状態が悪すぎる古本は対象外とする。(書き込み、汚れ、水濡れ、破れ)
  • ページ数が500p以上、または大判の本は図書館の判定を行わない。(2週間で読みきれないし、重くて運ぶのが大変だから)
  • センシティブなタイトルや表紙の本は図書館の判定を行わない。(受け取るとき恥ずかしいから)
  • 紙よりkindleの方が定価より50%以下の価格であればkindleを優先する。
  • ページ数が500p以上の場合は紙よりkindleを優先する。

まだあるけど、もういいや。

でもね、SF的な世界によくいるアンドロイドの執事だったら、こういう気遣いをしてくれた上で「旦那様、本は書斎にご用意しておきましたよ」ってやってくれるわけでしょう。そういうものを求めているんです。



何の話だっけ…?



とにかく、ビブリアはおすすめですよ!他にもいい読書アプリがあったら試したいので教えてください。



おわり。

汚部屋をやめた話

ルンバのお手入れをしながら思い出したこと。

小さい頃から汚部屋に住んでいた。

小学校低学年の頃には立派な汚部屋になっていたと思う。ランドセル、習い事のカバン、教科書、学校から持って帰ってきたプリントとか絵とか色々なもの、鍵盤ハーモニカ、衣服、文房具、おもちゃ、漫画、とにかく様々なモノが出しっぱなしで床を覆っていた。

ある日、父親が部屋にやってきて、床を埋め尽くしている全てのモノをバリバリに破壊してゴミ袋に詰めて捨ててしまった。母親が苦労して新しい教科書を買い求めてくれたので、破れた教科書で授業を受けるという惨めな状況は回避できた。

床のモノ捨てられ事件の後は一時的に部屋がきれいになったものの、ほどなく汚部屋に逆戻りしてしまった。片付け方が分からなかったのか、暴力で私をコントロールできると思うなよという無言の抵抗だったのか、なんだか分からないがすぐ汚くなった。汚部屋は不治の病と思われた。

時は流れ、大学生になった。実家を離れてワンルームで一人暮らしだ(親の金で)。もちろんこの部屋もあっという間に汚くなる。炊事や食事も自分の部屋でやるので、生ゴミ系の物体も散乱するようになった。この頃ほんのり鬱っぽくなっていたのもあり、汚部屋と病んだ精神が相互に影響を与え合ってけっこうよくない感じになっていた。

さらに時は流れ、サラリーマンになった私は東京にいた。ここでもワンルームを2つほど汚部屋にしたのち、当時付き合っていた彼氏と同棲を始めた。幸か不幸か、元彼も汚部屋マンだったこともあり、汚さのエントロピーは2倍になってしまった。2LDKの賃貸はなすすべなく汚部屋と化した。

元彼と別れたので新しく一人暮らしを始めた。満足のいく物件を探し、家電を買い揃え、観葉植物を置いた。ルンバを買い、ルンバが掃除できる家具を選んでレイアウトした。もう汚部屋に住むのはやめだ。


キレイなリビングルームの様子


そして3年が経った今、キレイなお部屋を維持している。

…不治の病、突然治る。



とにかく、何だか分からないけども、汚部屋を脱却できたのである。

感覚としては、34歳にして初めて、部屋をキレイに維持できる精神状態に「成った」。成ったので、急にできるようになった。可能なら小学生のうちにできておきたかったけど、こういう人生ならば仕方ない。

それまでは掃除も維持もできなかったし、やろうと思うと辛かった。なんというか、「部屋が汚い」という幅を持たせておく必要があった。一方で部屋が汚いのは嫌だし恥ずかしくもあったから、たまに掃除チャレンジしては挫折するのを繰り返していた。

若い頃の自分に、「34歳になったら片付けられるようになるよ。無駄な抵抗はやめな。イーッヒッヒッヒ!」って教えてあげたい。



もし今あなたが汚部屋に悩んでいるなら、掃除しなくていいです。 変わろうとかちゃんとしようとか思わなくていいです。気合いではどうにもならん。

部屋が汚くても死にはしない。無理しても、結局疲れてしんどくなっちゃって反動でさらに酷くなる恐れがある。無理しなくてヨシ。いまはまだ、その時ではないのだ。

いつか環境や心の状態や色々なコンディションが変わって、「あ、掃除しよう」って心の底から自然に思える日が来たら、本気出せばいいと思う。



おわり。