ラーメンのおつゆ

たまに書きます

汚部屋をやめた話

ルンバのお手入れをしながら思い出したこと。

小さい頃から汚部屋に住んでいた。

小学校低学年の頃には立派な汚部屋になっていたと思う。ランドセル、習い事のカバン、教科書、学校から持って帰ってきたプリントとか絵とか色々なもの、鍵盤ハーモニカ、衣服、文房具、おもちゃ、漫画、とにかく様々なモノが出しっぱなしで床を覆っていた。

ある日、父親が部屋にやってきて、床を埋め尽くしている全てのモノをバリバリに破壊してゴミ袋に詰めて捨ててしまった。母親が苦労して新しい教科書を買い求めてくれたので、破れた教科書で授業を受けるという惨めな状況は回避できた。

床のモノ捨てられ事件の後は一時的に部屋がきれいになったものの、ほどなく汚部屋に逆戻りしてしまった。片付け方が分からなかったのか、暴力で私をコントロールできると思うなよという無言の抵抗だったのか、なんだか分からないがすぐ汚くなった。汚部屋は不治の病と思われた。

時は流れ、大学生になった。実家を離れてワンルームで一人暮らしだ(親の金で)。もちろんこの部屋もあっという間に汚くなる。炊事や食事も自分の部屋でやるので、生ゴミ系の物体も散乱するようになった。この頃ほんのり鬱っぽくなっていたのもあり、汚部屋と病んだ精神が相互に影響を与え合ってけっこうよくない感じになっていた。

さらに時は流れ、サラリーマンになった私は東京にいた。ここでもワンルームを2つほど汚部屋にしたのち、当時付き合っていた彼氏と同棲を始めた。幸か不幸か、元彼も汚部屋マンだったこともあり、汚さのエントロピーは2倍になってしまった。2LDKの賃貸はなすすべなく汚部屋と化した。

元彼と別れたので新しく一人暮らしを始めた。満足のいく物件を探し、家電を買い揃え、観葉植物を置いた。ルンバを買い、ルンバが掃除できる家具を選んでレイアウトした。もう汚部屋に住むのはやめだ。


キレイなリビングルームの様子


そして3年が経った今、キレイなお部屋を維持している。

…不治の病、突然治る。



とにかく、何だか分からないけども、汚部屋を脱却できたのである。

感覚としては、34歳にして初めて、部屋をキレイに維持できる精神状態に「成った」。成ったので、急にできるようになった。可能なら小学生のうちにできておきたかったけど、こういう人生ならば仕方ない。

それまでは掃除も維持もできなかったし、やろうと思うと辛かった。なんというか、「部屋が汚い」という幅を持たせておく必要があった。一方で部屋が汚いのは嫌だし恥ずかしくもあったから、たまに掃除チャレンジしては挫折するのを繰り返していた。

若い頃の自分に、「34歳になったら片付けられるようになるよ。無駄な抵抗はやめな。イーッヒッヒッヒ!」って教えてあげたい。



もし今あなたが汚部屋に悩んでいるなら、掃除しなくていいです。 変わろうとかちゃんとしようとか思わなくていいです。気合いではどうにもならん。

部屋が汚くても死にはしない。無理しても、結局疲れてしんどくなっちゃって反動でさらに酷くなる恐れがある。無理しなくてヨシ。いまはまだ、その時ではないのだ。

いつか環境や心の状態や色々なコンディションが変わって、「あ、掃除しよう」って心の底から自然に思える日が来たら、本気出せばいいと思う。



おわり。